2019年 01月 21日
札幌時計台 |
130年時を刻んでいるという札幌時計台を見学しました。
時計台の軒下ですが、神社の雲肘木のようなデザインになっていて面白いですね。 昭和42年に修理工事が行われましたが、どんなことを調査したのか資料がありました。特に野地板は数ミリ単位で形状、大きさを詳細に調査して復元されたことがわかりました。さすが重要文化財ですね。
建物の説明は様々なHPで紹介されているので省略します。
あえて建築士という立場から考察してみたいと思います。
札幌時計台は建設当時は札幌では一番大きな建物だったようです。平面図を見ると集会場と描かれている大きなホールは間口は11.18m、奥行き19.36m、階高は1階が3.86m、2階が4.091mと記載がありました。小屋組は登り梁で屋根勾配は8寸勾配です。また、天井は勾配天井となっていますが一番トップで7mほどあるようです。
これぐらいの建物を今建てるとしたら材料は積層集成材を使って構造計算を行わないと設計出来ない規模ですね。お寺のように柱が7寸ぐらいあり、水平な梁に束建ての小屋組みではないので、130年前の当時では相当斬新なデザインだったと推測されます。
最後に、オフィスビルの中心にまだ札幌時計台が現存していることが不思議でした。しかし、歴史を振り返ると度々重なる火災から多くの人が守り続けた大変貴重な建物であることがわかりました。
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by jst51
| 2019-01-21 14:35
| 建物見学-その他